フィリピンオオコウモリは世界最大のコウモリ!その正体とは

世界最大のコウモリと言われている、フィリピンオオコウモリ (英語名:GIANT GOLDEN-CROWNED FLYING-FOX) をご存知でしょうか?非常に珍しい種類のコウモリで、とても長い翼が特徴。その翼はマントのように体に巻き付けられています。

コウモリと言えば、普通体長10〜20cm位を想像しますよね。しかし彼らは翼を広げると、なんと最大1.5メートル以上になるというから驚き…!人間と変わらない大きさの為、ドラキュラみたいと言われる事も。

けれど他のコウモリと同じく、日中はさかさまにぶら下がり、休む夜行性です。熱帯気候の雑林や熱帯雨林に生息し、集団生活を営みます。天敵はパイソンなどの大型蛇やタカで、草食性であり、果物や花の花粉を主食としています。

見た目はキツネ⁈

フルーツコウモリの仲間であり、顔がキツネに似ていることから、英語名にもある通り Flying Fox=空飛ぶキツネ とも呼ばれています。

一般的なコウモリは、音の反響で周囲の位置情報を獲得する『エコロケーション』で情報を収集するので、目は小さく、耳がよく発達しているのに対し、『視覚』で情報収集するため、目が大きく、キツネのような哺乳類っぽい顔をしているんです。

首の周りがぐるっと赤毛で覆われているので、余計キツネにそっくり。

また、他のコウモリが丸い耳をしていますが、尖った耳を持っている事も特徴。

顔は色を含めてキツネっぽいんですが、体部分はコウモリらしく黒色です。

受粉プロセスの助っ人役

夜行性で、なんと50Kmもの距離を飛行可能です!飛行スピードは時速40kmで、1分間に120回も羽ばたきます。飛距離が長いので遠く離れた場所にある果物や、花の受粉屋さんとしても大活躍。主食が花粉や花の蜜、果物なため、その果物の種子を遠くまで運んだり、雌花と雄花の受粉を助けたりといった、自然界にとっては大切な存在なんです。

キレイ好き

とてもきれい好きで、自分でグルーミングをするんです。川では翼を使って水をすくい上げ、体全体に水を掛ける彼ら。頻繁に体を洗い、キレイにするのに時間を掛けるそう。

けれど、人間にとって恐ろしい致死性のウイルスを運ぶという側面もあるので、見かけたとしても、むやみに触ってはダメです。

生息地はフィリピンのみ

彼らの唯一の家はフィリピンにあります。 特定の場所は、フィリピンのダバオ島にあるマイトゥムとミンダナオ。 深い洞窟と熱帯雨林に住んでいます。

非常に大きな洞窟に住んでおり、そこは暖かさと安全性を兼ね備えているはずなのですが、大量のコウモリたちが休んでいるという事もあり、ハンター達に惨殺されやすいのも事実…。多数のフィリピンオオコウモリたちが殺されるのは、休んでいる昼間の時間帯。

絶滅の危機

実は今、アジアでもっとも危機にあるコウモリなんです。実際脅かされているのはフィリピンオオコウモリだけではなく、アジアのコウモリの14%は現在脅威にさらされているのだとか。アジアのコウモリのうち71種(16%)は情報不足で、その数は絶滅危惧種を全て合わせたよりも多いんです。

孤立した場所で生息しているという事もあり、彼らの繁殖プロセスについて知る事も非常に困難。 毎年2回の繁殖期があると考えられており、メスは1人の子孫のみを妊娠します。

多くの場所で密猟者に大量に狩られ、また主食である果物を求めて人間との厳しい競争にもさらされています。人間にとっても必要な果物ですが、それを彼らから奪ってしまうと、フィリピンオオコウモリは自分自身を養う方法がなくなってしまうのです。

また、生息する森林地帯が破壊され続けているという事実も要因。 このように絶滅危惧種になっているにも関わらず、それを救うことに興味がある人もあまり多くはいないのです。

その原因として、コウモリは世界のどこでも研究が進んでいないうえに、嫌われているから。たくさんのホラー映画のなかで、コウモリといえば”吸血コウモリ”として描かれてきたせいで、負のイメージが定着しているのがその一因。実際のところは、人間にとって途方もなく有益な存在。自然環境と地域経済にどれだけ貢献しているかを確固たるデータで示して、そうした事実を世間一般に普及啓発することで、イメージを変えることが出来れば、数々の絶滅危惧種である種類のコウモリの危機を脱却する事はできるかもしれません。

東南アジアでは、たくさんのコミュニティの存続基盤である熱帯雨林を、コウモリが育んでいます。そしてフィリピンオオコウモリは熱帯雨林の重要な種子散布者で、鳥や他の哺乳類が避ける、開けた場所に種子を移動させ、経済的・生態学的に重要なさまざまな植物に必須の送粉者。

世界がいつの日かコウモリを好きになり、”吸血鬼”ではない、人間にとって必要な夜の生き物であるということを再評価し、「コウモリ愛」を広めていかなければならないのかもしれません。

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